こんにちは、まとんマサラです。
インドは多言語国家です。南インドだけでもタミル語、テルグ語、カンナダ語、マラヤーラム語の四言語があり、それぞれ異なる文字を使います。複数の民族、文化、宗教が存在する社会において、どの言語を話すかはアイデンティティの証明でもあるのです。
映画「RRR」ではテルグ語、ヒンディー語、ウルドゥー語、英語が入り混じっており、限定的にですがサンスクリット語も使われています。もしかしたら他の言語もあるかも。
自らをアクタルと名乗りイスラム教徒を装っていたビームは、ラーマのことを「バイヤ」(bhaiya)と呼んでいます。バイヤはヒンディー語とウルドゥー語(*)で「兄貴」の意味。正体を明かすまで、ビームはラーマをテルグ語の「アンナ」(anna)では呼びません。
自分がゴーンド族のコムラム・ビームであると告げる時の「アンナ…」に言葉の重みを感じます。
*ウルドゥー語 中央アジアなどから北インドに渡来したイスラム教徒の言葉と現地の言葉が融合して形作られた言語。現在はパキスタンの公用語であり、北インドでも広く使われている。