ブラジルの性犯罪過去最多 被害者6割超が13歳以下

ブラジルで女性への暴力が2年連続で過去最多を記録している。

先週木曜日にブラジル公安協議会(Brazilian Forum on Public Safety)が発表した年次報告書によると、2023年にブラジル国内で起きた強姦件数は前年に比べ6.5%増加し、過去最多の83,988件だった。国内人口と比較すると、6分に1人が被害にあった計算になる。

その他の犯罪でも、女性に対する暴力は前年より増えている。

  • 殺人(0.8%増)
  • 性的嫌がらせ(48.7%増)
  • ストーカー行為 (34.5%増)

一方、男女を含んだ国内での殺人総数は6年連続で減り続けている。2023年のブラジル国内における殺人被害者数は46,328人、前年の47,963人に対し3.4%の減少となった。しかし、それでもブラジルは世界全体の殺人総数の10%を占めている。

こうした女性への暴力増加の一因として、ブラジル公安協議会は新型コロナウイルスが社会に与えた長期的影響について言及する。

「女性に対する暴力は(コロナウイルスが拡大し始めた)2021年から爆発的に増加した。それまでもブラジルでは暴力事件が非常に多かったが、パンデミックで何かが変わったように見える。家庭内での緊張感が、女性への暴力を助長したのかもしれない」

被害者の大半は子供だ。以下はブラジル公安協議会が発表した2023年の強姦被害者の内訳である。

被害者総数 83,988人

  • 未成年(76.0%)
  • 女(88.2%)
  • 13歳以下(61.6%)
    • 0-4歳(11.1%)
    • 5-9歳(18.0%)
    • 10-13歳(32.5%)

被害者の84.7%は家族ないし知り合いによって危害を加えられている。子供が被害に遭う傾向は、長期にわたって変わっていない。

現在ブラジルでは妊娠22週以降の中絶を禁止すようとする動きが出ている。ブラジルは現行の法律上も中絶を違法をしているが、強姦による妊娠は例外としている。これを通常の妊娠と同じく禁止するのが、現在審議されている新法だ。新法が制定されれば、中絶を行った場合に、母体である女性は妊娠の理由に関わらず、20年未満の禁固刑を受けることになる。この量刑は殺人罪と等しく、そして強姦罪(15年)より重い。

「年少の被害者は若いために自分が何をされたのか理解することができない。妊娠しても気づかないことがほとんどだ。中絶が遅れた被害者を法律で処罰することは、彼女たちに対する新たな暴力行為だ。政府が行なっていることは国民、とりわけ女性と少女が直面する現実に全く即していない。被害者をどう支援するかそれを議論するべきではないのか」

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