バターチキンカレー 元祖をめぐりインドで裁判

バターチキンカレーの元祖を不当に名乗っているとして、インドの老舗レストラン Moti Mahal が競合相手である Daryaganj を提訴した。

Moti Mahal は1947年に Kundan Lal Gujral がデリーで開業したレストランである。Gujral はペシャワール(現パキスタン)の菓子店で料理を学んだ後、パキスタンがインドから分離した1947年にデリーに移り住み、レストランを始めた。レストランにはインドのネルー首相をはじめ、米国のニクソン大統領、ケネディ大統領夫人などの著名人が顧客として訪れた。

その後 Gujral はいとこである Kundan Lal Jaggi を経営に加え、共に Moti Mahal を切り盛りした。Jaggi の後継ぎが、同氏の功績を記念して2019年にデリーで開いたレストランが Daryaganj である。

現在 Moti Mahal と Daryaganj は、それぞれ創設者である Gujral の孫、Gujral のいとこであり Moti Mahal の共同経営者だった Jaggi の孫が所有している。

原告の Moti Mahal によると、バターチキンカレーは 創業者である Gujral が余った鶏肉の乾燥を防ぐために濃厚なトマトソースをかけたことが始まりだという。一方 Daryaganj は、 Jaggi が少量のタンドリーチキンに即席で作ったトマトソースを加えたものがバターチキンカレーの始まりだと主張している。さらに、バターチキンカレーが誕生したとされる Moti Mahal の開業時から Jaggi が経営に携わっていたとし、したがって同氏の後継ぎが創業した Daryaganj にはバターチキンカレーの元祖を名乗る権利があると述べている。

Daryaganj は「バターチキンとダール・マッカニーの元祖」をキャッチコピーとして商標登録をしているが、Moti Mahal は創業者の Gujral がバターチキンカレーとダール・マッカニーを考案したことを示す証拠記録を提出したという。

Moti Mahal は Daryaganj に対し、著作権侵害と不正共闘による損害として2000万ルピー(約3620万円)の賠償支払いに加え、バターチキンカレーとダール・マッカニーの元祖を名乗ることを禁止するよう求めている。

次回の公判は5月29日に開かれる。

タイトルとURLをコピーしました