ジェンダーバイアス10年間で改善なし 国連が統計発表

2023年6月、国連がジェンダーバイアスに関する統計を発表。過去10年間で女性に対する差別意識に改善が見られないと報告しました。

資料は国連の補助機関 UN Development Programme (UNDP) が行った性差に基づく社会規範に関する指標。それぞれ政治、教育、経済、身体面での女性の役割に対する考えを調査、女性に対するバイアスを数値化したもの。

国連ホームページより

調査の対象は世界人口の85%。うち10人に9人の男女が女性に対し性差に基づく偏見や差別意識を持っていることが明らかになっています。

政治面は6割がバイアスあり。回答者の約半数が男性のほうが政治家に適していると答えています。

経済面も同様に6割がバイアスあり。それぞれ4割以上が男性のほうが事業経営に向いている、男性のほうが仕事を選べると答えています。

身体面のバイアスは8割近くで、もっとも性差別が顕著です。全体の4分の1が夫が妻を殴っていいと答えているほか、6割近くが中絶は絶対に認めるべきではないとしています。

教育面でバイアスを現れたのは3割近くで、比較的低い数値といえます。女性の教育と技能は今までにないほと向上しており、世界59カ国で女性の方が男性より学力が高いという統計があります。しかし、男女間の平均賃金は39%の割合で男性のほうが高いとされています。

指標を作成した UNDP の責任者は経済格差に関して「まずは(女性が家庭でおこなう)無償労働の経済的価値を認める必要がある」としています。バイアスの値が高い国では、女性が男性の6倍の時間を無償労働にかけているという結果が出ています。

国連は対策として、政治と意思決定の場における女性の参入、ジェンダーバイアスに関する教育の普及を推奨しています。

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